マジキチと評価された2作目のアプリ『鳴かせ上手』の開発から学んだ2つのこと

公開日: : 活動報告       

  

会社員A@クリーニングスです。

今回は我々の狂気の原点を考察するシリーズ第2弾として、2作目のアプリである『鳴かせ上手』についてお話をさせて頂きたいと思います。

第1弾:我々の狂気の原点となった処女作『猿蟹』について改めて語る

前に書いた開発秘話的なもの

なお、開発秘話的なものは前にも一度このブログで書きました。2年以上前に書いたものなのですが、我ながら何をバカバカしいことを無理やり真面目に語っているのかと、うさんくささを全力で感じさせられる内容となっております。

関連記事:【個人開発アプリの企画】個性的なアプリを作るための3つのヒント

そういう本質は今でも全く変わっていないのですが、今回はアプリのコンセプトを生み出した背景やローカライズ対応など、もう少し広い視点で振り返ってみます。

「無生物の鳴き声」をコンセプトにした背景

先ほどの開発秘話の記事では、「無生物を鳴かせる」というコンセプトに至った経緯について触れているのですが、そもそも私の原体験をたどっていきますと、これは筒井康隆さんの『虚航船団』という作品に行き着きます。

作品の内容をひとことで言うと、無生物である文房具とイタチによる戦争の話なのですが、幼少から筒井作品に親しんできた私にとって無生物の擬人化はごく自然な発想であり、ユーモラスな存在であるという意識が根底にありました。

そういう背景もあって、活動開始当初はやたら無生物をテーマにした作品のアイデアを思いついたのですが、その対象がいつの間にか「オヤジ」に変わり、今は「相撲」になっています。なお『FINAL DEAD SUMO』の「行司システム」には、若干無生物ネタのなごりがあるかもしれません。

「狂気」と評価されて初めて気付いたこと

結果として、この『鳴かせ上手』は前作の『猿蟹』に引き続き、「狂気じみたアプリ」としてレビューサイトに紹介されることになりました。

参考リンク:だめだ…このアプリは危険すぎる…。『鳴かせ上手』がマジキチすぎてヤバイ

これによって現在にまで至る我々の作品の方向性が決定的になったと思うのですが、ぶっちゃけこれも『猿蟹』と同じく、元々「狂気」を意識して作っていたわけではなかったので、言われて初めて「あぁ、これはそういう風に見えるんだ」と気付いた感じです。

この作品をきっかけに「狂気にこだわる戦い方が有効かもしれない」という考え方を強く意識するようになっていったように思います。

「狂気」を武器にするということ

「狂気」を表現する1つの方法として、「現実にありえないモノの組み合わせやシチュエーション」というものがあるのですが、たぶん本当に狂っている人間の頭の中では、それが通常の感覚なのだろうと思います。

一方、我々クリーニングスの日常は「サラリーマン」という正気の極みのような世界の中なのですが、そういう世界にいながら「いかにして狂人の頭の中を再現できるか」を、アプリ開発という表現を通して楽しんでいるのかもしれません。

ただ、そのような表現方法が本当に有効なのかどうかは、いまいち確信を持てていないところもありました。その不安に対して勇気を与えてくれたのは、以下のリンク先にあるレポートです。

参考リンク:[Unite 2016]インディーズゲームを世に知らしめるのは開発者自身が抱く“狂気”。セッション「Unityを使った個人ゲーム開発における『収益化』の現状と未来」聴講レポート

このレポートを見て、極めて正常な世界で生きている人間が、狂人の世界を再現するという行為に固執し続けることもまた一つの狂気であり、有効な戦い方ではないかと感じさせられました。

また、我々は本業を持ちながらアプリ開発に取り組んでいる個人開発者であるため、基本的には目の前の生活に困ることはありません。そのような立場の我々が売れ筋を狙って無難なアプリを作るのも何か違うような気がするので、できる限り実験的な作品でヒットを狙うことに挑戦すべきではないかと今は考えてます。

まぁ、これまでさんざん書いてきたように、そのおかげで全然儲かっていないのですがw

関連記事:【スマホアプリの個人開発】これまでにかかった活動経費を人件費なども含めてきっちり計算してみたら予想以上にひどかった
関連記事:”時給1円以下のデベロッパー”あのインタビュー記事のちょっとだけ裏話

クソゲーをローカライズしたらどうなるのか?

それと、前回の開発秘話では特に触れていなかったのですが、『鳴かせ上手』では別途、海外バージョンのアプリもリリースしています。この当時はアプリの内部でテキストだけローカライズ対応するとか、まったく発想にありませんでしたw

海外バージョンを作った目的としては、このような一発ネタのクソアプリでも、全世界に向けてリリースしたらどれくらいのダウンロード数になるのか実験してみたかったというのが主な興味でした。

デザインなどを和風の世界観にしたのも海外を意識したためであり、あまり流暢な英語で翻訳しても「うさんくさい感じ」が出ないような気がしたので、あえて翻訳の精度にはこだわらないようにしました。

で、結果としては残念ながら、2016年5月現在でも累計60ダウンロードくらいしかありませんw(現在はストア非公開)

最初は「世界には180くらいの国があるから、各国で10ダウンロードでもされたら全部で1800ダウンロードだ!」みたいな幼稚園児並みのことを考えていたのですが、さすがにここまでダメだとは予想外で、当時かなり衝撃を受けた記憶があります。

海外には『カーズ』のようなアニメ映画もありますが、基本的に「無生物の擬人化」という発想は日本人独特の感性のような気もするので、海外で理解されるような作品では無かったのかもしれません。そもそもアプリ自体がマニアックすぎるのですがw

まとめ:『鳴かせ上手』のリリースから学んだこと

以上で振り返ったとおり、結局この作品で学ぶことができたのは、「狂気を武器にする戦い方」「一発ネタを世界展開する厳しさ」という2つのことでした。作品自体はかなり稚拙なものでしたが、自分たちの方向性や、やりたいことを見つけるためには非常に有効な取り組みだっだったと自己評価はしています。

基本的にこの2つのことは今後も当分は変わらないと思っていまして、「狂気の表現」としては「相撲×ありえないシチュエーション」をテーマに作品を作っていくでしょうし、これから海外でのヒットを狙っていくにしても、現地のユーザーの感性や好みなども調査しながら洗練させていくことになるかと思います。

『猿蟹』と『鳴かせ上手』、いずれも活動初期の一発ネタアプリではありましたが、この2つの作品を通して多くのことを学ぶことができました。また、レビューによる外部からの評価を受けることで、自分たちが本当に楽しんで活動を続けることができる方向性も見出すことができ、ダウンロード結果こそ伴わなかったものの、我々にとっては大変思い出深い作品となりました。

それでは本日はこのへんで。この「狂気」シリーズの続きとしては、3作目『オヤジ占い』について、また機会があればどこかでお話しさせて頂きたいと思います。

  

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